本物のセラピストとして、「やること」「心得ること」
本物のセラピストとは、技術が上手なのは当たり前。
上手な技術を大前提とした上で、いかにお客様の気持ちに立ち、汲み取り、求めるものに対して提供ができるか、ということ。それが、松村メソッドが考える「本物のセラピスト」です。
そんな中でも、大前提である「技術が上手」の本質的な意味を理解していないセラピストが多いと、経験上とても感じています。
スクールで覚えた技術を流れどおりにやっているだけであったり、心をこめてやっています!と言う、その「心」とは実際にはどんな心なのか、疑問さえ生まれます。
その疑問が生まれる理由は、長年の経験から、指導者として細心の注意をはらって見ていると、しっかり見えてきます。
たとえば、自分本位な施術になってしまうこと。
施術の数をこなしているから、手の動きはスムーズで、迷いもなく自信もある。
その自信が、時に独りよがりになってしまうこともあります。
「私の流れについてきて」と言わんばかりの、自分本位の施術がまさしくそれです。
受けているお客様はおいてけぼりの状態となり、お客様とセラピストとの間には、「想い」と「体感」に温度差が生じてしまいます。
セラピスト:「ここは凝りやすいと教わったから、しっかりやろう!次はこれ、その次はこれ・・・」
お客様:「そこ あんまり凝っていないな。あ、そこ凝っているからもっとほぐしてほしかった・・・でも言えない。」
セラピスト:「よし! スムーズに施術できた!きっと満足してもらえたね!」
お客様:「本当はやってほしい所には触れてもらえなかった・・・。気持ちよかったけれど・・・。」
これが、実際のお客様とセラピストとの間に生じている温度差です。
やるべきことを学んだ通りに施術する。
スムーズに行うことに意識が向いている。
それによってお客様の本当の気持ちや求めるものを、結果的に無視してしまっているのです。
あなたにも、心当たりはないでしょうか?
確かな技術を大前提とした上で、いかにお客様の気持ちに立ち、汲み取り、求めるものに対して提供ができるか。
その基本となる「お客様を理解して、共感して、癒したいと思う気持ち」こそ、真のセラピストが心得ることだと思います。経験を重ねたセラピストこそ、慢心せず一人一人のお客様に持ち続けることが、結果的に信頼されリピートされるセラピストに繋がるのです。
では、この温度差を縮めるにはどうしたらよいのか。
お客様とセラピストが「息を合わせる」ことです。それは呼吸を合わせるという意味ではなく、意識を合わせるということ。セラピストがお客様の肌に触れることで合図を送り、お客様の意識がその触れた箇所に来るのを待つ。お互いの意識が一体化した時にお客様とセラピストの「息が合った」施術となるのです。
セラピストに身を任せベットで寝ているお客様は、セラピストに触れられた瞬間にセラピストの手に意識が集中するのです。セラピストのひとりよがりの流れや施術はお客様との意識がずれているため、結果的に温度差へとつながってしまうのです。
また、セラピスト自身が普段からエネルギーを高めておくセルフケアも大切なことです。
お客様が滞在する時間は世界で一番愛する人という意識で接することが大切です。